【大阪】オフィスの原状回復工事とは？注意すべきエリアも解説

賃貸借契約と原状回復義務の関係

オフィスを退去する際、入居前の状態に戻すための工事を「原状回復工事」といいます。賃貸借契約に基づき、借主にはこの原状回復義務が課せられています。しかし、どこまでが借主の負担範囲なのか、曖昧なまま工事を進めてしまうと、後々トラブルに発展する可能性があります。

原状回復工事の範囲は、契約書に記載されていることが一般的です。契約内容をよく確認し、工事範囲を明確にしておくことが重要です。一般的には、以下のような工事が含まれます。

工事内容	説明
解体工事	入居時に設置した間仕切り壁や造作物の撤去
塗装工事	壁、天井、ドアなどの塗装
天井設備関連工事	照明器具の交換、空調設備の原状復帰など
クロス・タイルカーペット工事	壁紙や床材の張替え
クリーニング	窓、サッシ、ブラインド、照明器具などの清掃
電気関連工事	電気配線、電話線、LANケーブル、OAタップの撤去
什器・備品の撤去	入居後に持ち込んだ什器や備品の撤去
産業廃棄物処理	工事で発生した廃棄物の適切な処理

原状回復工事の範囲｜どこまでが借主の負担？

オフィスを退去する際、どこまでの原状回復費用を負担する必要があるのか、曖昧なままでは不安ですよね。原状回復工事の範囲は、一般的に「借主の故意・過失、善管注意義務違反、契約内容」によって決定されます。

まず、借主の故意や過失による損傷は、明らかに借主の負担となります。例えば、壁に物をぶつけてできた穴や、飲み物をこぼしてできたシミなどが該当します。

次に、善管注意義務違反とは、通常の使い方をしていれば発生しないような損耗を指します。例えば、オフィス家具の設置による床の傷や、エアコンフィルターの掃除不足による故障などが考えられます。

最後に、賃貸借契約の内容も重要です。契約書に原状回復の範囲が具体的に記載されている場合は、それに従う必要があります。契約内容をよく確認し、不明な点は事前に貸主と話し合っておくことが大切です。

項目	説明	借主負担の例
借主の故意・過失	意図的、または不注意による損傷	壁の穴、床の焦げ跡
善管注意義務違反	通常の使用を超える損耗	家具による床の傷、設備の故障
契約内容	契約書に記載された原状回復の範囲	特殊な内装の復旧、設備の交換

契約内容をよく確認し、不明な点は貸主や不動産会社に相談することが大切です。トラブルを避けるためにも、契約締結前に原状回復義務の範囲を明確に理解しておきましょう。

間仕切り壁の撤去・変更における注意点

間仕切り壁は、オフィスのレイアウト変更でよく手を加えられる部分です。賃貸借契約締結時に設置されていた間仕切り壁を撤去・変更した場合は、原状回復義務として元に戻す必要があります。

LGS（軽量鉄骨）間仕切り壁の撤去

撤去後の壁や天井、床の補修が必要になります。配線撤去跡も綺麗に修復する必要があります。

パーティションの撤去

パーティション設置に伴う床や天井の傷の補修も原状回復の対象となる可能性があります。

床材の張替え・補修：材質ごとのポイント

床材の種類によって、原状回復工事の内容や費用が異なります。

タイルカーペット

汚れや破損が激しい場合は、部分的な張替えではなく、全面的な張替えが必要となるケースもあります。

フローリング

傷やへこみは補修で済む場合もありますが、広範囲に及ぶ場合は張替えが必要になります。

天井の原状回復

オフィスの天井は、照明器具や空調設備と密接に関係しているため、原状回復工事においては注意が必要です。賃貸借契約の内容に基づき、どこまでの復旧が必要なのかを確認しましょう。

天井の原状回復工事で特に注意すべき点は以下の通りです。

原状回復の範囲の確認

契約書でどこまで原状回復する必要があるのかを確認しましょう。天井の材質や照明の種類によっては、高額な費用が発生する可能性があります。

照明器具の取り外し

退去時に照明器具を取り外す必要がある場合は、天井に穴が開いたり、配線が露出したりすることがあります。これらの修理費用は借主負担となるケースが多いです。

空調設備

業務用のエアコンを設置している場合は、移設や撤去に費用がかかる可能性があります。また、エアコンの設置によって天井に穴が開いている場合は、その補修費用も必要となるでしょう。

その他の注意点

水回りの原状回復工事では、水漏れや排水管の詰まりがないかを確認します。電気配線は、OAフロアやコンセントの増設・変更を行った場合、元の状態に戻す必要があります。

これらの注意点に留意し、事前に賃貸借契約書の内容を確認することで、原状回復工事のトラブルを未然に防げます。