【兵庫】原状回復工事｜施設撤去の手続き・注意点・よくあるトラブルも紹介

撤去工事の必要性

撤去工事は、原状回復義務を果たすために必要不可欠です。

賃貸借契約に基づき、借主は退去時に物件を入居時の状態に戻す義務を負っています。撤去工事を適切に行うことで、貸主は次の入居者にスムーズに物件を貸し出すことができ、貸主と借主間のトラブルを未然に防ぐことができます。

撤去工事の範囲

撤去工事の範囲は、賃貸借契約の内容によって大きく左右されます。契約書に明記されている事項をよく確認し、貸主との間で認識の齟齬がないようにすることが重要です。一般的には以下のものが含まれます。

撤去工事は、専門的な知識や技術が必要となる場合があります。そのため、信頼できる業者に依頼することが重要です。

事前に対応策を確認しよう

事前にトラブル発生時の対応策を確認しておき、スムーズな工事完了を実現しましょう。

隠ぺい配管の損傷

事前に建物の図面を確認し、配管の位置を把握しておくことが重要です。特に天井裏や壁の中の配管は損傷しやすいので、撤去作業時には慎重な作業を心がけましょう。

Asbestos（アスベスト）含有建材の発見

アスベストは健康被害を引き起こす可能性があるため、適切な処理が必要です。アスベストが発見された場合は、専門の処理業者に依頼し、法令に則った処理を行いましょう。

隣接する建物への損傷

撤去作業中に誤って隣接する建物や設備を損傷してしまうケースがあります。損傷を防ぐため、作業前にしっかりと養生を行い、損害賠償保険に加入しておくことが大切です。

廃棄物処理の不備

撤去作業で発生した廃棄物は、適切に分別・処理する必要があります。廃棄物の種類ごとに適切な処理方法を確認し、マニフェストを適切に管理しましょう。

予期せぬ埋設物の発見

地中埋設物（水道管、ガス管など）がある場合は、事前に図面で確認し、注意深く作業を進める必要があります。埋設物を発見した場合は、工事を一時中断し、関係各所に連絡を取り適切な対応を協議しましょう。

事前調査の重要性

原状回復工事の前に、建物の構造や設備を事前に調査することは非常に重要です。適切な調査を行うことで、撤去作業をスムーズに進め、想定外のトラブルや追加費用を避けることができます。

事前調査では、以下の項目について確認しましょう。

建物の構造

天井の高さ、壁の材質、床の構造、柱や梁の位置などを確認します。これらの情報は、大型設備や什器の搬出経路を決定する際に役立ちます。また、建物の構造によっては、特殊な工具や技術が必要になる場合があるため、事前に把握しておくことが重要です

設備

電気、ガス、水道、空調設備などの位置や種類、容量を確認します。これにより、撤去作業中の安全対策ができ、設備の停止や移設が必要な場合にもスムーズに対応できます。

既存の図面

建物の構造や設備に関する図面があれば、必ず確認しましょう。図面は、正確な情報を把握するための貴重な資料となります。

現場確認

実際に現場を訪問し、図面の情報と照らし合わせながら、建物の状態や設備の配置などを確認します。写真や動画を撮影し、記録を残しておくことも重要です。

これらの調査結果に基づき、適切な撤去計画を立て、必要な機材や人員を確保することで、工事の効率化とコスト削減を実現できます。また、予期せぬトラブル発生のリスクを最小限に抑えることにもつながります。

関係各所への連絡や手続き

原状回復工事では、建物の構造や設備の確認だけでなく、関係各所への連絡も重要な作業です。電気、ガス、水道などのライフラインの停止手続きは、工事の安全性を確保し、不必要な料金の発生を防ぐために不可欠です。

これらの手続きは、それぞれの供給会社や管理会社に連絡し、工事の日程を伝えることで行うえます。また、停止手続きには数日かかる場合もあるので、余裕を持って連絡しましょう。

さらに、工事中は、これらのライフラインが確実に停止されていることを確認し、安全に作業を進めるようにしてください。万が一、停止されていないことに気づいた場合は、速やかに作業を中断し、関係各所に連絡を取りましょう。

その他、建物の種類によっては、消防署や警察署への連絡が必要な場合もあります。必要な手続きを事前に確認し、スムーズな工事の進行を図りましょう。